日本・中国・韓国子ども童話交流事業 日本語
2002年度活動報告
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8月22日
童話の読み聞かせ 「日本丸」でクルージング
 
童話の読み聞かせ
 この日から、子どもたちの本格的な童話交流が始まりました。プログラムの中心は、「日中韓の童話の読み聞かせ」と「紙芝居づくり」です。また、童話先生役の愛媛県在住の児童文学作家・大西伝一郎さんが「紙芝居づくり」の監修にあたります。

 この日は、「日中韓の童話の読み聞かせ」が行われ、ウェスティンホテル淡路の大ホールで、大西伝一郎さんが選んだ3国の童話、「浦島太郎(日本)」「桃源郷ものがたり(中国)」「ノルブとフンブ(韓国)」を、グループリーダー10人が交代で子どもたちに読み聞かせました。物語の進行(同時通訳)に合わせて、スクリーンに映し出された絵本のページが1枚1枚ゆっくりとめくられ、子どもたちは、食い入るように絵を見つめながら物語に聴き入り、ファンタジックな童話の世界に引き込まれていました。

 この三つの童話を選んだ理由について大西伝一郎さんは、「殿様や王様ではなく働く人が主人公で、庶民の視点を持っていること。古くから語り継がれ、物語の大切な部分だけが残っている口承文学であること。日本・中国・韓国にありうる物語であり、子どもの心におだやかに染みわたるものであることを考慮しました。三つの物語が日中韓の子どもたちの心の中で金の鈴となって、一生鳴り響いてくれることを願っています。」と述べられました。

 読み聞かせの後、韓国の童話作家でもある金日光(Kim Il Gwang)先生は、「童話は私たちを温かくしてくれます。そして言葉や感じ方・考え方が違う日中韓の子どもたちの心をひとつにしてくれます。3カ国の人たちはかつて同じ考えをもち、同じ生き方をしていたはずなのに、私たち大人は違いばかりを浮き彫りにしてしまっていました。子どもたちは、童話を通して共通点をたくさん見つけてほしい」と感想を述べられました。

 また、中国の作家、谷応(Gu Ying)先生は、「はるか昔から多くの父母が子どもに語り継いできた話は、どれも豊かな生命力のある物語です。童話には、『善良であること』、『誠であること』、『強いものが弱いものを助けること』など、人間としての道理・品性が描かれています。子どもたちは未来の主人公。毎日の楽しみの中に童話を加え、これから何千年も受け継いでいってほしい」と述べられました。

 子どもたちも、「日本の童話だけでなく中国・韓国の童話をもっと読んでみたい。外国の子どもたちも日本の童話を読んでほしい」「3カ国に似た童話があるのは、三つの国の人たちが同じような心を持っているからだと思う」「日本・中国・韓国は同じアジアの国として仲良くできると確信した」「アジアだけでなく世界の子どもが童話に興味を持ってほしい」と、三つの童話を聞いた感想を積極的に述べ合いました。このあと、肥田美代子実行委員会事務局長が、1995年に起きた阪神・淡路大震災で犠牲になった女の子ゆずちゃんを描いた絵本「ゆずちゃん」を3カ国の子どもたちに手渡し、午後に予定されている北淡町震災記念公園の見学へと、子どもたちの心をさそいました。


 
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