参加経験者交流会
参加経験者交流会レポート
中韓日子ども童話交流 2025 と同時開催された「参加経験者交流会」は、約 10 年の歳月を経て大学生や社会人となった28人(中国 8 人、韓国10人、日本 10 人)が北京に集まりました。3つのグループに分かれて経験者たちも、3か国の平和と友好への願いを込めた絵本を制作、発表しました。
参加経験者交流会は、共催者の「日中韓三国協力事務局(TCS)」が企画・運営を主導しました。
1日目:8月19日
子どもたちと一緒に全体オリエンテーションに参加しました。トロント大学で政治学と東アジアについて研究する中国の譚趙率天(Tan Zhaoshuaitian)さん(2015年参加)は、経験者代表の宣言で「子どもとして参加した時の達成感が忘れられない。その時の経験が大学での研究を方向付けてくれた。これからも3か国の友好・交流に貢献していきたい」と語りました。
夕食後、ブロックをみんなで積み上げていくゲームやムカデ競走といったアイスブレイクのプログラムを通して打ち解けました。
2日目:8月20日
午前は頤和園を見学、午後は開会式に参加しました。
各国の参加経験者の代表たちは、今回の交流への思いや子どもたちへのメッセージを語りました。
中国の馬錦瑞(Ma Jinrui)さん(2015年参加)は、「古来より船は交流の手段。3か国の子どもたちがこのテーマを通して絵本や思い出をつくって、互いに成長して友情を深めることを期待しています」と語りました。
韓国の姜像友(Kang Sang Woo)さん(2013年参加)は自らの経験を通して、「違いを理解することはとても難しいことだと思っていたが、1週間過ごすことで相違を受け入れ理解し合うことが出来た。好奇心と浪漫をもって皆さんの物語を生み出してください」と子どもたちにエールを送りました。
「種子」がテーマの2016年に参加した日本の白石幸々さんは、「日中韓の友達みんなで蒔いた友好の種、平和の種が芽を出し、成長し、いつか再会したときには実った果実を分け合えるように、と今まで自分の夢に向かって頑張ってきた。再会した友達、新たに出会う仲間と自分の夢やこの事業の将来、日中韓の未来について大いに語り合いたい」と抱負を語りました。
夜は夕食会で豪華な料理に舌鼓を打ちながら、中国伝統武術のパフォーマンスを鑑賞しました。
3日目:8月21日
午前は、北京展覧館で開かれていた特別展「莫高窟の如く」(敦煌芸術大展)を見学しました。
午後はシャングリラホテルで「進路探求ワークショップ」に参加しました。冒頭、クイズプラットフォーム「カフート」を使って、3か国の歴史やTCSに関するクイズで盛り上がった後、国をまたいで国際機関などで活躍する3名の講義を聴いて、自らの将来を考えながら意見を交わしました。
現在は中国の国連開発計画(UNDP)でイノベーションプロジェクトマネージャーを務める龚君(Gong Jun)さん、韓国出身でありながら北京大学で中国文学の博士号を取得し、中韓文学の比較研究や両国間の学術文献翻訳などを手掛け、現在は山東大学で准教授を務める薛熹祯さん(Sul Hee-jung)さん、東京大学、北京大学、ソウル国立大学で修士号を取り、現在は北京のアジアインフラ投資銀行で働く日本人・三木完修さんの話を聴いて、参加経験者たちは自らの将来を考えながら意見を交わしました。
中国の龚君さんは、国際的に働く重要なスキルとして、語学に留まらないコミュニケーション能力や、自らを評価してくれる上司など職場の人間関係がとても大切、とアドバイスしました。参加者から“失敗を恐れずチャレンジを続けるコツ”を聞かれた講師たちは、「予期せぬ事態に陥っても受け入れてプロセスを楽しむ」「失敗したら強くなれると思えば良い。新しい自分に成長できる」などと力強く答え、参加経験者たちは感銘を受けていました。
夜は講師も交えてレストランで夕食を共にした後、前門大街を散策してお土産を買ったりスイーツを食べたりして楽しみました。
4日目:8月22日
午前は、子どもたちと一緒に万里の長城を訪れました。
午後は、国際連合食糧農業機関(FAO)中国事務所を訪問し、国際的な連携を通じた食料安全保障や持続可能な農業への取り組みについて学びました。
この夜から、子どもたちと同様、参加経験者たちも「船」をテーマに3つのグループごとに絵本づくりを開始、主人公やストーリー設定について話し合いました。
5日目:8月23日
午前は、かつての工業団地が、ブランドショップやカフェ、書店などと公園が融合する文化・商業拠点に生まれ変わった“郎园Station”という場所で、お洒落なショップ見学や写真撮影を楽しみました。
午後は前日に続き、絵本づくりに取り組み、夜遅くまでかけて担当ページの絵を描いて色を塗る作業に励みました。
6日目:8月24日
子どもたちと一緒に「中国書店」を訪れて古書修復の様子を見学したり、体験スペースで木版画を刷ったりしました。
午後は絵本を製本して、絵本の発表会に臨みました。それぞれの惑星に住んでいた熊やパンダといった主人公が、太陽の爆発を機に未知の銀河で出会い、助け合って一緒に暮らすことを約束するストーリーや、三匹の主人公が協力して海底の悪魔のドラゴンを倒すストーリーなど、協力し助け合って新たな希望に向かって進もうという想いを童話で表現しました。
食後はかくし芸大会に参加しました。参加経験者たちは、ダンスや“We are the world”の歌で子どもたちや関係者を盛り上げ、感動のフィナーレを演出しました。
7日目:8月25日
閉会式の各国代表者挨拶では、名残惜しみながらも、固い絆と友情を信じて、新たな航海に旅立つ決意を込めた言葉で満ちていました。
最後に挨拶をした日本の代表、坂賀憩さん(2016年参加)は、「自分の視野がより広がって、将来を考え直す意義深い機会になりました。友情と学びを大切にしてこれからも互いの国への関心とつながりを広げていきたい。例え離れていても心の中の絆は消えることなく、私たちをより良き未来へ導いてくれると信じています。」と感慨深げに語りました。
式が終わると、子どもの時に別れが寂しく抱き合って泣いたあの時のように、別れを惜しみつつ再会を約束しました。